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【STANAG】

2014.6.15

ー NATO標準化文書 ー

STANAGはNATO版のMILスペックである。STANAGは米国防総省(DOD)の支援により制定されたNATO装備品を取得・調達する際の規格や仕様書などの標準化文書である。現在STANAGは関連文書を含めると2187件であるといわれるが一般公開されているのはわずか137件で残りの全ては現在運営管理しているNSA(NATO Standardization Agency)の許可が必要となっている。(数字はASSISTとNSA調べ)( DCメール 2014年6月15日 No.367)

■STANAG
STANAGは古くはMILスペック同様自由に入手ができたが更新が行き届かずデータの最新性に問題があった。そこで米国防総省(DOD)はISA(国際標準化条約)のもとNATOとの標準化協定等新しい枠組みのなかでその内容を大きく変更あるいは更新させたのである。
米国はNATOとの標準化政策において正式調印したことで数多くのDOD政策がNATOの標準化政策の遅れに歯止めをかけたとしている。これはすでに周知の事実であるがイラク戦争をはじめとする多くの米軍との共同戦線においてNATO軍における物資や後方支援の実態がまことにお粗末であった。そこで1998年以後米国はNATOとの協調体制の強化のために標準化政策を統合(共通化)し「てこ入れ」を図ったわけである。
なかでもSTANAG(NATO標準化文書)はMILスペックとの連携や共同運用(Interoperability)、NATO加盟諸国の国家規格や民間規格との強化を図ったのである。
2000年以降DODはNATO標準化政策に深く関与し、JSB(Joint Srandardization Board)ワーキング・グループが命題を与え、新たに変革された標準化要求に対する戦略提案を掲げた。
またJSBはNATOに参画する同盟諸国に対して数々の支援策を提供した。
JSBは「標準化こそがほとんどすべての国々や同盟国にとって重要である」と提言している。そこでNATOの標準化文書であるSTANAGをMILスペックとの共通運用性を高めるために大きく改革したのである。
現在STANGを運営管理するNSA(NATO Standardization Agency)とDODによればSTANAGはその関連文書を含めると2187件にのぼるが、NSAで一般公開が認められているのは(DistributionレベルA)はわずか137件であり、内容は自然や環境および人間に影響する標準化政策を反映させたものが主体となっている。そしてその他はすべてCDD(DistributionレベルがC)として配布が制限されている。
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