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低速度から中速度での後方衝突における腰椎の負荷

概要車両の後方衝突に関するほとんどの調査は頸部に重点を置いていますが、最近では腰椎に関する懸念が増大しています。急激な脊髄の圧迫によって併発する脊髄の屈曲は、急性ヘルニアを発症させるメカニズムと考えられるようになり、まれなケースではあるが椎間板ヘルニアに関連する腰痛が報告されています。自動車の後方衝突時、車両の加速度が前方にかかり、背もたれが後方に振れます。床面に固定されたシートベルトを装備した車両のシートでは、背もたれとシートベルトによって骨盤が拘束され、後方への動作時に胴体が上後方に傾斜して腰椎に張力がかかります。ただし、すべてのベルトとシートの配置によって、圧迫されたすべての屈曲負荷が腰椎にかかる可能性があります。どちらかのシートベルトの配置によって、脊椎が一時的に何らかの屈曲と圧迫を受け、それにより急性椎間板ヘルニアの提案されたメカニズムに一致する可能性があります。

このペーパーでは、Hybrid IIIおよびBioRID II擬人化テスト装置(ATD)を使用し、速度(ΔV)を2.2、3.6、5.4、6.7m/s(5、8、12、15mph)に切り替えて、後方衝突時の脊椎の屈曲と負荷を探求しました。両方のタイプの50パーセンタイル成人男性ダミーに3点ベルトを装着して、隣り合わせに気密テスト・スレッドに座らせました。各速度で、床面に固定されたシートベルトを使用して1回のテストが行われ(フォードトーラス2002年および2003年)、2.2m/sおよび5.4m/sΔVのそれぞれで、すべてのベルトとシートの構成を使用して1回のテストが行われました(2001年シボレー・サバーバン)。2つのタイプのATDを使用して、腰椎にかかる力とモーメントが計測されました。ATDの動作パターンを全体的に評価するために高速ビデオを使用しました。ATDテストで、低速度から中速度での後方衝突時に腰椎が急性椎間板ヘルニアや隆起の発症に相当する負荷を体験したかどうかを判定するために、結果全体が文献と比較されました。

ナンバー2010-01-0141
発行日2010年4月12日
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